未遂事件
チェリストにとって、チェロは喜びや苦しみを分かち語らう友であり、いろんなことを教えてくれる人生の師匠でもあり、はたまた相睦み合う恋人でもあると言えよう(?)。そんな訳で、私の良き伴侶であるチェロ美ちゃんなのだが、ぞんざいに扱うと時に機嫌を損ねることもある。
こないだ練習をしようとチェロを抱き起こしたら、なんだか嫌な感じがし...たその刹那、スーッとエンドピンが落ちていって床に突き刺さったのだった。そのエンドピンは真鍮の中にタングステンが入っている(vcyoyoの工房製)ので275gほどあり、おまけに先が削りたての鉛筆のように尖っている。とっさに足を引いたから良かったものの、生足エンドピンレストなんて洒落にもならない。響きも悪そうだし。
前回エンドピンをしまった際にネジを締め忘れていたのだ。いまだかつて、そんなことはなかったのだが、いつの間にやら注意を怠っていたのだろう。慣れというのは怖いもの。見れば楽器も随分汚れている。初めて手にした時はあれほど大切に扱っていたのになぁ、と反省しながら拭ってあげた。
埃を払いながら各部をよく見ると、駒も微妙にずれている。位置や傾き・ねじれをきちんと調整すると、音の張りが幾分良くなり、改めて惚れ直した次第である。
☆写真にみえるエンドピンレストは石田ヴァイオリン工房(福岡市)製。普段は果物用まな板に塩ビの発泡シートを敷いて使ってます。
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