未遂事件
チェリストにとって、チェロは喜びや苦しみを分かち語らう友であり、いろんなことを教えてくれる人生の師匠でもあり、はたまた相睦み合う恋人でもあると言えよう(?)。そんな訳で、私の良き伴侶であるチェロ美ちゃんなのだが、ぞんざいに扱うと時に機嫌を損ねることもある。
こないだ練習をしようとチェロを抱き起こしたら、なんだか嫌な感じがし...たその刹那、スーッとエンドピンが落ちていって床に突き刺さったのだった。そのエンドピンは真鍮の中にタングステンが入っている(vcyoyoの工房製)ので275gほどあり、おまけに先が削りたての鉛筆のように尖っている。とっさに足を引いたから良かったものの、生足エンドピンレストなんて洒落にもならない。響きも悪そうだし。
前回エンドピンをしまった際にネジを締め忘れていたのだ。いまだかつて、そんなことはなかったのだが、いつの間にやら注意を怠っていたのだろう。慣れというのは怖いもの。見れば楽器も随分汚れている。初めて手にした時はあれほど大切に扱っていたのになぁ、と反省しながら拭ってあげた。
埃を払いながら各部をよく見ると、駒も微妙にずれている。位置や傾き・ねじれをきちんと調整すると、音の張りが幾分良くなり、改めて惚れ直した次第である。
☆写真にみえるエンドピンレストは石田ヴァイオリン工房(福岡市)製。普段は果物用まな板に塩ビの発泡シートを敷いて使ってます。
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コメント
エンドピン爆撃、ついこないだ私もやりましたよ。幸い、ゴムキャップ付けていたので事なきを得ました。
バッハの無伴奏、楽しみにしています!
投稿: みっち | 2006年10月 6日 (金) 12時30分
命中したんですか? キャップがついていても結構痛そうですねぇ。
シューマンの民謡風の小品も楽しみにしています。
みっちさんは僕の直後なので、つられて失敗しないようお気をつけあそばせ。
投稿: osamu | 2006年10月 6日 (金) 19時42分
あらら。楽器が痛そう・・・。泣いてるかもしれないね、少しの間は。。
もうすぐ発表会なのですね。無伴奏を発表会で、なんて素晴らしい。聞きにいきたいですねえ。私は発表会ないので、室内楽の場を借りて演奏することができる、と今日連絡ありました。
先生とのレッスンでやってますが、難しいよー。音程以上にラフマ(Vocalise)の音楽性を教え込まれています。でも上手く弓がコントロールできずそれも調整中です。
こうやればよかったなぁと思うことあれば教えて下さい!
投稿: Onely | 2006年10月10日 (火) 02時16分
Onelyさん、こんにちは。
う〜ん、確かに楽器もないてたかも知れませんねぇ。
でも立ち直りの早い子なんです、うちのチェロ子......いや、チェロ美は。(この辺からしていい加減)
発表会は済みました。こうやれば...という反省点はたくさんありますので、改めて書こうと思います。
投稿: osamu | 2006年10月10日 (火) 18時43分
友達の楽器職人さんに「ちょっとぶつけてハゲちゃった」とか「何か木の破片が飛んでいった」と言うと怒りモードで「…直すけど、今日はチェロにごめんなさいと謝ってから寝なさい」と言われます。私の扱い方もなってないですが、彼女の楽器に対する思いやりは人間にかけるものと一緒のような感じです。私も久しぶりにチェロを磨こう。(何ヶ月ぶりか・・・)
またブログ楽しみにしてます。
投稿: Onely | 2006年10月11日 (水) 02時17分
察するに、なかなか良い職人さんですね。
安心して楽器を預けられそう。
うちのチェロ江...いやチェロ美(くどい!)も結構なおばあちゃんだそうですので、いたわってあげないとなぁ。
投稿: osamu | 2006年10月12日 (木) 17時35分
こんにちは。
ご回覧いただきましてありがとうございます。いやぁ、恥ずかしい日記なのに。。。
それにしても、発表会お疲れ様でした。
無伴奏はいいですね。無伴奏くらいトライしてみたかった。
あす、弦バスの弓を買いに行ってきます。ドキドキ。少しは上手くなったらセッションしてみたいですが、低音同志の演奏って気分を害しそうですね。
次回の江発表会も楽しみにしていますので、頑張ってください。
投稿: ぷー父 | 2006年10月12日 (木) 21時28分
こんばんは。
こちらこそいい加減なblogで、申し訳ないです。
ホント無伴奏はいいですよー。曲自体は...。
弦バスの弓結構しそうですが、やっぱり黒毛!かな?
それとスパムがやたら多いので、コメント等は承認制にしてまして、ご面倒をおかけします。
投稿: osamu | 2006年10月12日 (木) 22時10分
私が日本へ一時帰国したり、短期でも出張に行くときは彼女のお店に楽器を預けます。引き取る度に少し傷がいったところも、目立たなく磨いてくれてます。そういった心のこもった職人さんがいてくれて大変助かります。チェロ美おばあちゃんもosamuさんに大事にされて幸せですね。
投稿: Onely | 2006年10月13日 (金) 01時45分
チェロ美おばあちゃんは「ワタシャまだまだ若いモンにゃあ負けられんよ...ゴホッゲホッ」と咳込みながらも意気盛んな感じです。たぶん。
投稿: osamu | 2006年10月13日 (金) 17時40分
え~~、そんな事言ってらっしゃるならかなりチェロ美さん、怒ってますって!機嫌を損ねるだけのレベルじゃないよー。綺麗にしてあげて下さい・・・。
投稿: Onely | 2006年10月14日 (土) 01時46分
あ、ご心配なく、今はすっかりキレイですよ。
死んだじいちゃんが惚れ直して、化けてでてくるんじゃなかろうか...と申しております。たぶん。
投稿: osamu | 2006年10月14日 (土) 13時52分