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2006年10月の5件の記事

2006年10月29日 (日)

ラ・クァルティーナ

Laquartina  NHK交響楽団のチェリスト(藤森亮一・ 藤村俊介・銅銀久弥・桑田歩氏)による四重奏団ラ・クァルティーナのコンサートに出かけた。毎年恒例の北九州国際音楽祭の一環として響ホールで開かれたもの。N響は海外公演が終わったばかりで、前日の深夜に北九州空港に着いたそうだ。昼間には小学生向けのプログラムもあったみたいで、かなり過酷な日程だ。

 体力・技術・頭脳・オーラ・人間性・エレガンス。アスリートがトップまでたどり着くための「六つの鍵」としてフローラン・ダバディー氏が挙げている。それぞれ前のものが後の必要条件。エレガンスを以て頂点とするところが何よりも美を重んじるヨーロッパ的というかフランス人らしいところであるが、彼らの云うところの美とは決して表層的なものではないことがうかがわれる。もちろん体力が全ての基礎に置かれているが、それを含めてこの6つは音楽家にも通じるところのものだろう。

 話を戻して、ラ・クァルティーナの面々もさすがに日本のトップ奏者の集まりというべきで、全く疲れを感じさせない演奏ぶり。

 アルビノーニの「アダージョ」、クレンゲル「主題と変奏」、バッハの「G船上のアリア」「シャコンヌ」、ポッパー「演奏会用ポロネーズ」。休憩を挟んで大作曲家たちのメモリアルイヤー(川島素晴氏編曲)ということで、モーツァルト(生誕250年)・メドレー、ブルグミュラー(生誕200年)の25のやさしい練習曲より「アラベスク」「牧歌」「バラード」「貴婦人の乗馬」、シューマン(没後150年)の子どもの情景より「トロイメライ」。最後に、武満徹(没後10年)のうたIIより「死んだ男の残したものは」で結ばれた。アンコールに、フラマリオ&ソリチッロの「黒猫のタンゴ」、ガルデル「首の差で」、モーツァルト「トルコ行進曲」と3曲も弾いてくれた。

 なじみの曲も多いけれど、巧みな編曲にチェロの技術を駆使した演奏で、均整のとれたアンサンブルには恐れ入るばかり。事もなげにやってのけるのがまたニクイ。僕たちもチェロ四重奏にトライしようとしているのでよく分かるが、ちょっとしたハーモニーをつくるのでさえ結構苦労するというのに......

 武満徹の「死んだ男の残したものは」は没後10年(もうそんなに!)にふさわしくも思われ、とても印象に残った。石川セリさんが歌っているものもいいが、チェロの音色も曲に合っていて訴えてくるものがある。

 最後には本音楽会恒例のサイン会があったので、1枚買って並んだ。この時には皆さんさすがにお疲れのご様子だったけれど、快く応じてくださった。ただでさえ忙しいオケの合間を縫っての活動で、どうしてもタイト・スケジュールとなるので大変そう。それにチェロって四重奏はもちろん、オケでも弾きっぱなしだから、やはりタフでないと務まらないでしょうね。

 最近、だんだん弱ってきているので、帰りに駅近くのイタリア料理屋「アクア・ヴィータ」でたらふく食べた。身も心も満たされた1日。

 

☆写真は10月24日にリリースされたばかりの「リベルタンゴ〜4本のチェロのための作品集6」のジャケット。

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2006年10月16日 (月)

カイシャク

Pompei 介錯の仕方で......いや解釈の仕様で随分違ってくるものだ。

 先日のチェロの発表会特別出演の橋本歩さんが弾かれた「風の通り道」を聴いて、のどにひっかかっていた小骨が取れたような気がした。この曲を以前チェロの合奏で弾いたことがあるのだが、出だしの「森の奥で〜」の部分が何かしっくりいかない感じがずっとしていたのだ。

 僕はトトロを見ていない珍しい?人間なので原曲を知らず、自分なりの解釈で「森の・奥で」という風に間を少し切って弾いていた。「たららン・たたらン」と鼻歌のように演っていたのだけど、何かスマートでない感じがしていた。

 そこを歩さんが「森の〜奥で」とのびやかに弾いておられるのを聞き、はたとひざを打った次第である。あそこを続けて弾くだけで野暮ったさが取れ、次のフレーズへの繋がりもスムーズで洗練されて聞こえる。切って弾いていた時には、何だか「よっこいしょ・どっこいしょ・うんとこどっこいどっこいしょ」てな感じがしていたのだが、まるで別曲のようだ。

 元来から作曲家の意図としてはそうだったのかもしれないし、歩さんも特に意識されたわけではないんだろうけど、私にはちょっとした驚きだった。「プリ・マドンナ」ではなく「プリーマ・ドンナ」であったり、「プエル・トリコ」じゃなくて「プエルト・リーコ」だったり、「スリジャヤ・ワルダナ・プラコッテ」だとばかり思っていたものが正しくは「スリィ・ジャヤワルダナプラ・コーッテ」(=スリィ・ランカーの首都)であったと知らされた時のような驚き......とは少し違うかも知れないが、切ったり切らなかったり、どこをどう繋げるかで印象が全く異なってくる。(例語は正式な表記ではないと思いますが感じとして)

 実はこの間の発表会の敗因のひとつに、この解釈ということがあるのだが、それはまた次回に。

 ☆写真は福岡市美術館でやっているポンペイ展のお土産「トガを来た人物像」。今日はみっちさんのお宅にお邪魔して、来月予定のチェロ四重奏の音合わせをしました。一人で弾くのと大勢で弾くのと、また4人で弾くのとではそれぞれに勝手が違いますね〜。

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2006年10月13日 (金)

finito !

Montes_alpha  そろそろ書き留めておかないと忘れてしまうので(ホントは忘れたいんだけど)、チェロの発表会が終わった。今回は有り難いことにたくさんの方々においでいただいた。

 発表会は、生徒がそれぞれ1曲ずつと、合奏曲も3曲、荒川静香でおなじみのプッチーニ「誰も寝てはならぬ」と久石譲の「空から降ってきた少女」、大バッハの「マーチ」を演奏。プッチーニはサビのところを皆で反り返って弾いたらどうかと先生に提案したところ、あっさり却下された。

 合間にピアノの独奏(ベートーヴェンのソナタ月光)もあったり、最後にはここでも何回か紹介したプロ・チェリストの橋本歩さんがトトロやリベルタンゴ、アンコールに白鳥を弾いて下さり、なかなか充実した発表会となった。

 自分に関していえば、合奏はともかく課題曲の無伴奏が散々で、大バッハが聴いていたらきっと怒鳴られたと思う。ゲネプロの時から落ちまくって、本番でも途中から何をやっているのか、チェロってどうやって弾くんだったか分からないような最悪の状態。何とか最後までは弾いたけど、ポジションが違ったり、ボウイングも逆になったり、とまぁ散々。あれ以上ひどい演奏はこの世に無いというくらいで、正直なところ弓を置いて逃げ出そうかと思った。

 原因は分かっている。それだけにとても後悔しており、聴いて下さった方にも失礼だと思ったし、何よりバッハに申し訳がたたない。...これ以上書くのはやめておきます。あ、先生にもゴメンナサイ。

 でも、発表会全体としてはなかなか良いものだったと思う。チェロを始めて間もない人も堂々といい音で弾いているし、チェロの2重奏もあったり、最後は先生と歩さんがきっちり締めくくって下さったし。

 反省会でピアノの先生が、「失敗してもだれに怒られるというわけでもないのだから、自分の表現したいものを素直に表現したらいい」ということや(ビデオに録ったりして)立ち居振る舞いにも気を配るといいよとアドバイスして下さった。

 とにかく、皆さんお疲れさまでした。ここをご覧の方で足を運んで下さった方、有り難うございます。

☆終わった夜、これを飲んでも酔えませんでした。最近値上がり気味ながら、まだまだコストパフォーマンスの高いチリ・ワイン。Montes Alpha 2,000円也。

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2006年10月 5日 (木)

未遂事件

Cello チェリストにとって、チェロは喜びや苦しみを分かち語らう友であり、いろんなことを教えてくれる人生の師匠でもあり、はたまた相睦み合う恋人でもあると言えよう(?)。そんな訳で、私の良き伴侶であるチェロ美ちゃんなのだが、ぞんざいに扱うと時に機嫌を損ねることもある。

 こないだ練習をしようとチェロを抱き起こしたら、なんだか嫌な感じがし...たその刹那、スーッとエンドピンが落ちていって床に突き刺さったのだった。そのエンドピンは真鍮の中にタングステンが入っている(vcyoyoの工房製)ので275gほどあり、おまけに先が削りたての鉛筆のように尖っている。とっさに足を引いたから良かったものの、生足エンドピンレストなんて洒落にもならない。響きも悪そうだし。

 前回エンドピンをしまった際にネジを締め忘れていたのだ。いまだかつて、そんなことはなかったのだが、いつの間にやら注意を怠っていたのだろう。慣れというのは怖いもの。見れば楽器も随分汚れている。初めて手にした時はあれほど大切に扱っていたのになぁ、と反省しながら拭ってあげた。

 埃を払いながら各部をよく見ると、駒も微妙にずれている。位置や傾き・ねじれをきちんと調整すると、音の張りが幾分良くなり、改めて惚れ直した次第である。

 ☆写真にみえるエンドピンレストは石田ヴァイオリン工房(福岡市)製。普段は果物用まな板に塩ビの発泡シートを敷いて使ってます。

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2006年10月 2日 (月)

間近!マジか?

Hibikihall  風呂から上がったら手の指の皮がふやけてめくれはじめている。ここ数日の練習量を推し量っていただけるだろう。と同時に、それまで如何にサボっていたかもばれるかもしれない。

 というのも、来る発表会に向けて練習しているわけなのだが、本番まであと178.........時間っ。来週の月曜なんだよなぁ。仕上がるのかな、疑問。その前に、木曜の最終レッスンに間に合うか、疑問。何でこんなことになったのか、愚問。

 さておき、上の2つを新しい弦に張り替えたところ、気持ちよく鳴るようになった。D線などは1年使っていたので倍音も随分乱れていたようだ。普段フラジオで調弦するのだが、どうにも合わない感じがしていたところだった。

 チェロを始めたての頃はクロマチック・チューナーで各弦を合わせていた。僕のものはLEDが光るタイプでぴったり合ったのかちょっと分かりにくかった。その上チューナーにぴったり合わせると平均律になってしまうので、チェロ本来の響きを発揮できにくいことになる。だから最近はD線だけチューナーで合わせて、他の弦は時間がかかっても自分の頼りない耳で合わせるようにしている。

 純正律の完全五度にピタリ合った時のチェロは反応が敏感で、今度の弾く予定の無伴奏(バッハ)なんかは調弦の良し悪しで半分は決まるのではないかとさえ思う。残りの半分がこれまた大問題なのだけど、ね。

☆ゴーシュの会 第6回チェロ・コンサート(発表会)は、10月9日(月・祝)午後2時より若松バプテスト教会(北九州市若松区)にて。入場無料(今だけ!)

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