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2006年9月12日 (火)

どれす●でん

Frauen CDを無人島に1枚だけ持っていくとしたらゴルトベルク(ピアノ版)だ、と書いたら、何でチェロ曲じゃないんだとお叱りのメールが百通を超えて届いた(ウソ)。そりゃいろいろ持っていければそれに越したことはないが、最後にはシンプルなものを残しておきたい。もうこれ以上削れないって感じのものがいいんじゃないだろうか。余白の美とでもいうのか、シンプルな方が自由だし想像力をかき立てられる。というより単純に好みだ。バッハの無伴奏チェロ組曲なんてのもその部類だろうけど、これは頭で勝手に鳴りだすから持っていかなくても大丈夫。

 さて、ゴルトベルクのことを書いていて、確か妻アンナの日記(『バッハの思い出』)にもでていたなと思って読み返していた。その折に初めて訳者後書に目を通したのだが、これがバッハの後妻アンナ・マグダレーナの筆によるものではないらしいということがちょろっと書いてある。......騙されたぁ。何年もずっと信じてたのに。そんな大事なことは大きく目立つように書いて欲しいなぁ、全く。あーぁ。皆さんも気をつけましょう、ってご存知か。

 そういう訳でどこまで信用できるか知らないが、ゴルトベルク変奏曲(「30の変奏曲付アリア」)の依頼主はドレスデンのカイザーリング伯(ロシア大使だったらしい)で、彼がゴルトベルクをゼバスティアンに紹介したのだが、ゴルトベルクはなかなか優秀な生徒だったようだ。

 ところで突然だけど、ドレスデン繋がりということで思い出して、あるDVDを出して初めてかけてみた。ファビオ・ルイージ指揮シュターツカペッレ・ドレスデン、ベートーヴェンの荘厳ミサ曲ニ長調(ドレスデン、フラウエン教会復興コンサート)。チェロ仲間のみっちさんがブログ(夕陽の窓)で紹介されていたのが良さそうだったので取り寄せておいたもの。まとまった時間がないと聴けないということもあって(気力がないというのも最近ある)、買いっぱなしで置いていたものだ。そんなディスクが部屋に散在。

 感想。これも無人島に持っていくっ。でもそうするとモニターもいるなぁ......という問題もあるが、映像がきれい。というか教会がきれい。それもそのはずで、ドレスデンのフラウエン教会の復興相成った記念として催されたコンサートだ。(第二次大戦の空襲による)あの瓦礫の山も再利用というか、使えそうなものはなるべく元の位置に戻しながら再建したみたい。そういう訳で、50年ぶりに帰ってきたDicke Madam(Fat Lady)ことフラウエン教会に対するドレスデンの人たちの思いの結晶みたいな作品となっている。ファビオ・ルイージの指揮もなかなかいいんじゃない。合唱団が時おり一斉に譜をめくるのが、何か鳥がわーっと飛び立つような感じにも見えた。詳しくは、みっちさんの方でどうぞ。(ここと違って文章がまとまっていて読みやすい!)

 ◎耳寄り情報! タイムリーなことに、フラウエン教会復興コンサートがBShiで 9月16日(土)午後11時25分から放映されるみたい。ハイビジョンのある方は必見。うちにはない。

 ついでに、「ドレスデン」といえば、こちらのCDも秋の夜長におすすめ! "Dodes'kaden"(どですかでん〜武満徹作品集)/鈴木大介、渡辺香津美、岩佐和弘。タイトル曲は黒澤映画のそれ。

 ☆ポスターはフラウエン教会HPのDownlordsより。個人使用の範囲内ということで。かなり縮小してますので。「平安、汝とともにあれ!」

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コメント

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無人島に、教会とオケと合唱団を持って行くというのは? ルイージ忘れた、とか。

あと、なんでドレスとデンの間に●があるのかと思ったら。うーみゅ。

投稿: みっち | 2006年9月13日 (水) 13時02分

みっち様

良いDVDを紹介していただいて有り難うございます。
あと、つまんないオヤジギャグですいません。言わない方がいいと分かっていても歯止めが効かないのは年のせいかな。

psホント教会ごともって行ければ一番ですねぇ。指揮者は......類似の人を探します。

投稿: osamu | 2006年9月13日 (水) 16時29分

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