音楽と香気 その2
お正月。には全く関係なく、前回のものが長いので2つに分けた。
さて、音楽が情景や匂いまでも喚び起こすとすれば、その逆に香りによって音楽が浮かぶということもあるだろう。相変わらず発表会に向けた練習に難儀しているところに香水を一吹きしてみると、あら不思議、気分一新でたいへんいい感じ。しかもインスピレーションがとめどなく溢れてくる、ような気がする。従ってアーティキュレーションも明確だ、と思う。普段香りを身に着ける習慣のない私には効果抜群だったのだろう。客観的にはどうか知らない。
音楽に何となく行き詰まった感じで曲に乗れない時、名人の演奏を聴いたり、作曲家の伝記にあたってみたり、『のだめ』を読んだりすると気分が変わっていいと思う。食事に凝ったり、散歩に出たり、風呂に入ったりというのも手だ。加えて嗅覚を刺激するというのも他の方法とは違った効果が得られるような気がする。ヴォカリーズのような曲を弾く場合、良い香りに包まれてさらってみるということはちょっと有効であるのではないだろうか。
何もしなくても集中できるというのが本当の集中力ってものかも知れないが。皆さんはどうしてますか?
...お、ウィーン・フィルの恒例行事が始まった模様。
☆写真は前回と同じくサンタ・マリア・ノベッラのコロンのカラー版。背にあしらっているのはミケランジェロの素描。
以下、コロンについて雑記。好きな人だけ読んでね。
仏語できないので知らなかったんだけど、オー・デ・コロンって「ケルンの水」という意味なんだって(一般教養?)。ケルンは羅語のコローニア([ローマの]植民市の意)からきてて、フランス語でコローニュ。で、「Eau(オー=水)・de(ドゥ=〜の)・Cologne(コローニュ=ケルン)」と。へぇ。
ついでに加えると、18世紀初めにイタリア系旅商人のジョヴァンニ・パオロ・フェメニスがケルンにとどまり製造し始めたものが一般にコロンの最初とされており、当時のレシピ通りにつくられているものが「4711」。最初のコロンは香水(どちらかというと化粧水?)としてのみならず胃のお薬としても用いていたらしい。へぇ。
しかし(これはサンタ・マリア・ノベッラによる話ではあるが)、そのレシピは、フェメニスがフィレンツェに立ち寄った際、Santa Maria Novella教会(修道院HP・伊語)の修道尼より手に入れた処方を基にしているという。へぇ。
(ケルンには大司教座がおかれ、ドミニコ会も同地に神学大学を設けていることから察するに、同会派の影響は間違いないと思われる。この修道会では薬草などの栽培研究が実に盛んだった)
「ちなみに私、最近オヤジくさいと妻からファブリーズされました(高橋談)」へぇ〜。(嘘)
医学や薬のmedicina(英medicine)はフィレンツェのメディチ家を語源とすることはご存知の通りで、この辺りは調べてみると色々おもしろそう。
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コメント
以前、お邪魔したときに一寸読ませていた体力→技術→、、、、失念、、、、と言うやつをもう一度読みたくてお邪魔したらば、osamuさん、サンタマリアノヴェッラ使ってらっしゃるんですね。僕も石鹸とローズウォーターを愛用しています。
>香りによって音楽が浮かぶということもあるだろう。
二三度適当なアロマ講座を受けたことがありますが、僕もそう同じように思いました。
普段思い出しもしない古い記憶も、楽しかったり悲しかった思い出も、「鮮明によみがえる」って事ありますよね。
僕にとって香りが呼び起こすものは、殆どが過ぎたものであり「今」ではない寂しさを伴ったものが多い気がします。
でも、過ぎればいろんなことがそれなりに愛しく思えてくるんですよね。
投稿: フェレット | 2008年4月 5日 (土) 23時08分
フェレットさん、こんばんは。
サンタ・マリア・ノベッラは頂き物です。
ちなみにここのシェービング・フォーム(同じく頂き物)もなかなか良いです。
年を経ると食べ物の好みが変わるように、昔ダメだった香りが大丈夫になったり、好ましくなるって事もあるんでしょうねぇ。
体力→、これですね。自分でも忘れていて探しました。
http://ocell.cocolog-nifty.com/blog/2006/10/post_609b.html
投稿: osamu | 2008年4月 6日 (日) 22時06分
osamuさん、こんばんわ。
体力→技術→
チェロを弾く時も、日頃から体力不足→猫背→故に浅い呼吸→集中力の途切れ→下手という負のスパイラルを感じておりました。自分に当てはめるには大げさですが、求道する者は皆アスリートですね。
特に頂点がエレガンスと言うのにガッツリ持って行かれた分かり易い僕は七月の市民マラソンにエントリーしました(ハーフですが)。
投稿: フェレット | 2008年4月 8日 (火) 19時10分
フェレットさん、こんばんは。
ハーフといっても20キロ以上でしょう?
僕はクォーターでもまず無理です。
60代でも毎年ホノルルを走っている人を知っていますが、
たとえ少しでもトレーニングを毎日続ける事が肝心だとおっしゃっていました。
体力の前段の気力からして衰えつつある今日この頃です。
投稿: osamu | 2008年4月 9日 (水) 22時02分