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2006年1月の10件の記事

2006年1月27日 (金)

Amadi !

Amadeus モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart)。ザルツブルグでも午後3時をまわったので、250年前のもう5時間ほど経ったころ、音楽に愛された音楽家モーツァルトが生を受けることになる。

 さっきまで、「生誕250年 まるごと入門!モーツァルト」という番組があって、2時間くらいあったんだけど思わず全部観てしまった。清水ミチコも本日お誕生日だそうで、250本のローソクを煙そうに吹き消していた。(同い年?)

 フランチェスカ・ペダーチというソプラノ歌手がでていたが、ムーティに見出されたというだけあって魅力的な歌い手だ。 小菅優(ピアノ)も評判通り若くて上手い。本拠のザルツブルグ音楽祭にも招かれているそうだけど、今年のチケットは特に手に入れるのが難しいだろうなぁ。今年は史上初、モーツァルトの全てのオペラを上演するそう。

 僕がザルツブルグを訪ねたのは一昨年の今ごろで、やっぱり寒かった。今確認してみたら、彼の地の気温は氷点下になっている。いろんなとこを見て回ったが、モーツァルトが250年前に実在した人物で、そこを歩いたりころんだりしていたのだということを、未だに信じられないでいる。そして来週、僕も35歳になるのだが。(ぼつぼつミサ曲の依頼が来るころか)

 今年、チェロ・アンサンブルでモーツァルトの小品(例のとびっきり素敵なの)をやろうと計画している、ことについてはまた後日。

☆写真 ザルツブルグ土産(自分用)の切り絵はがき。ドイツ語読めないけど、多分、Christl v. Schwind氏の切り絵だと書いてあります。

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2006年1月26日 (木)

松やに

Rosin ロジン、といっても『阿Q正伝』の話ではなく、rosin(松脂)のことである。たまにはチェロのことでも書かないとね。

 チェロのような擦弦楽器は、馬のしっぽの毛を張った弓で弾くわけだけれども、馬の毛だけでは弦の上を滑ってしまう。そこで誰が始めたかしらないが、摩擦を大きくするために松脂を馬毛に塗り付ける。

 市販されている弦楽器用の松脂は、松から採れる樹脂に柔らかくするための油を加えたシンプルなものだそうだが、たくさんのメーカーから販売されており、調合方法がいろいろあるようだ。いろいろ試して比べるといいのだろうけど、松脂はなかなか減らないので(練習不足?)そうそう買い替えることもない。

 私の場合、チェロを始めたころはPirastro(ピラストロ・ドイツ)社のcello(チェロ)を使っていたが落として割ってしまい、同社のcellist(チェリスト)に買い直してみた。でも、初心者でもあるし、この両者に違いはあまり感じなかった。

 その後、福岡市南区にある石田ヴァイオリン工房オリジナルのロジン・ケースを見つけ買った時についてきたのが、Bernardel(ベルナルデル・フランス)で、ピラストロ製品のようなざらざらした感じがなく、なめらかで弾きやすいので愛用している。

 また、ある時京都の楽器店に立ち寄っていろいろ店員さんと話しているうちに、手ぶらで帰るのも悪いと思い(小心者なので)、Larsen(ラーセン・デンマーク)の松脂Vc(チェロ)を買って帰った。佐々木朗氏がサイトで紹介されていたので気になっていたのだが、ベルナルデルに比べてさらに柔らかい。実際、夏場に買ったのだが、熱のためか松脂が随分変形しており、平らにするのに苦労した。それだけに絃に対する食い付きがとてもよく、スピッカートなどでも威力を発揮する。寒い時期にはこれくらい柔らかめの方がいいかも知れない。

☆写真 石田ヴァイオリン工房製のロジン・ケース

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2006年1月22日 (日)

パスタは陽気に!

Viva_la_pasta blogのサイドバーにあるココログからのお知らせに、ココセレブからのプレゼント(2周年記念企画らしい)というのがあって、覗いてみたら、イタリアン・シェフのクオモさんもblogを書いていた。ここ

 もうずっと昔のことになるけど、クオモさんが同じナポレターノ(ナポリ人)のジローラモさんと一緒に書いている「VIVA LA PASTAーパスタは陽気にー」という料理の本を買って、パスタ作りに挑戦してみた。予想に反して、結構うまくできておいしかった。もっとも、ヴォンゴレ・ビアンコとかペペロンチーノとか、手のかからないものを選んで作ったんだけれど、深なべや麺にも凝って満足していた記憶がある。最近は作ってないなぁ。

 まだ、本屋さんにあるだろうか? レシピの間にちょこちょこエッセイも書いてあって面白いしオススメです。

 ところで、確認したら、プレゼントの締め切り過ぎてました。とほほ。でもトラックバックだけしてみよっと。

 ちなみに『VIVA LA PASTAーパスタは陽気にー』柴田書店刊(ISBN4-388-05801-7)です。

◎追記 見たら97年の本だった。もう9年経つ。写真のクオモさんもややぽっちゃりしている。今はスッキリ。ってことは、最近、厨房には立っても直接調理してないってことだね。上海に店を出したり、忙しくなってしまったんだなぁ。

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2006年1月21日 (土)

チワワ

Azabu 久しぶりにFMのAvantiのさわり部分だけ聴くことができた。干支にちなんで犬の話題をしているらしい。
 
 ムツゴローさんの話として教授が紹介していたのが、チワワの名前の由来。あんなに小さくてかよわそうな犬なんだけど、なんでもメキシコ最大の州・チワワ州 (Estado de Chihuahua) からきているそう。

 かわいく見えてもあなどれないなぁ。その辺まで計画的に考えてCMに採用しているのだろうか。くわばら、くわばら。

☆写真 アヴァンティのあるという元麻布近くのお店にて。

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2006年1月20日 (金)

お引っ越し

Bakabon 某blogサービスから引っ越してきました。とりあえずテンプレート(黒田潔氏作)のまま使ってますけど、背景が画像なので読み込みに時間がかかる人もいるかもしれませんね。鳥の歌というタイトルはこのテンプレートを見ていて連想しました。以前は黒っぽいblogだったんですが、随分すがすがしい感じになったでしょ。

 さて、以前の某blogサービスというのは渦中のラ○ブドアなのですが、blog自体はカスタマイズなどやりやすく使いやすいものでした。ようやく慣れてきて愛着もあったのですが、いろいろ勘案し移転することに。

 話はとびますが、フットボール(サッカー)には英国発祥らしく"Ungentlemanly conduct"(非紳士的行為)というのがありまして、現在は女子の競技人口も増えたこともあり“Unsporting behavior"(反スポーツ的行為)と改められました。点を取ってなんぼの競技ですが、例えば味方でボールを囲んでゴールまで運んだり、ユニフォームの下にボールをはらませて敵ゴールに駆け込んだりなんか、思いついてもやらないもんです。これは単純にずるいからで、いちいちそんなことまでルールブックに表記しませんね。もし実行すれば、非紳士的行為ということで反則をとられるでしょう。

 で、ラ○ブドアに対しいろんな部分で不信感を抱いていて、そろそろイエローカードかなと思っていたところに、例のニュースが飛び込んできたという訳。最近ホ○エモンが占い系のドラえもんみたいな人に似てきたなぁと思ってた矢先の出来事でした。

 引っ越すについては、どこにしようか迷いました。FC2なんか自由度が高く人気なようですが、今回は「世界の車窓から」に敬意を表して、富士通つながりのココログにすることにしました。フリー版なので広告は入りますが、いかがわしいものは少ないと思います。

 まぁそんな感じで、中身のなさは相変わらずですが、よろしくどうぞ。

☆写真 津和野の路地裏

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2006年1月14日 (土)

歌川国芳展

Kuniyoshi 楽しみにしていた歌川国芳展が、今週いっぱい北九州市立美術館分館でやっているので行ってきた。この人はどちらかというとふざけた絵のほうが有名だと思うのだが、武者絵なんかはちゃんとしていて、まじめにやってた頃もあるんだなぁとちょっと見直したりした。

 戯画の方は、みるとやっぱりおもしろいし上手い。猫とかキツネとか愛嬌があって、今でいうところの「楽しみながら」やっている感じがよく出ている。美術館の人も今回の企画はおもしろがってやってたんではないだろうか。

 例の人を組み合わせて顔を表した「みかけはこはゐがとんだいゝ人だ」も展示されていた。もうずっと前になるが朝日放送の「探偵ナイトスクープ」でこの絵を実際に再現したことがあった。それが石田靖探偵のデビュー依頼だったのだが、他ならぬ自分の母校でやっていたので、知ってれば見に行ったのに残念だった。依頼者やその辺にいた学生、そして学生課?の職員さんまで引っ張り出され、ラクダの肌着か何かを着せられて寄り合っている姿には、うけた。最後に石田探偵(なぜか素っ裸)が鼻の部分に収まって見事完成をみたのだった。ひょっとしたら国芳も弟子達にさせて、にやにやしてたのかも知れない。

 この展覧会は1月15日まで。和服で行くと前売り料金で入場できるという粋なはからいもされている。和服と認めるか否かは係員の判決なので、微妙な線を狙っていくのもおもしろいかも。

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2006年1月13日 (金)

Vocalise その後

Evahpirazzi あれれ、という間に今年も2週間になろうとしている。発表会が終わってからも数日が経ってしまった。

 でまぁ、どんな出来だったかというと、弾いたには弾いたのだけどねぇという感じ。演奏中にいろいろ邪念が湧いてきたりして、あれとかおやとか思っている間に曲が終わった。小品(ヴォカリーズ)だから時間は短いのだが、不完全燃焼気味で換気が必要。

 あっという間に感じたのは、先生から頼まれていたアンケート用紙を持っていくのを忘れたので取りに帰って(片道一時間弱)、会場に戻ったのが本番ギリギリになったり、何かバタバタして落ち着かなかったせいもあるかもしれない。

 当日ピアノと合わせてもらって、やはり音程が随分気になった。自分で練習している時は、ト調なので導音のFisを高めにとったりしていたが、伴奏が入るとピアノの音に比べてちょっと高すぎのようだったので本番では修正した(つもり)。他にも音程のまずさがあったり、強弱がいまいちだったりして、演奏しながらあれこれ考えているうちに終わってしまったのだった。(今回の準備不足はかなり反省)

 去年、一昨年と、バッハの無伴奏をやったのだが、伴奏付きというのは独特の難しさがある。慣れると自然に合わせられるようになるんだろうけど、今回はピアノの先生が上手くあわせてくれたので助かった。

 実は今日もチェロのレッスン日だったのだが、仕事の都合で休んでしまった。先生ごめんなさい。

 でも、指ぺこヴィブラートだけは随分上達したのでは,,,


☆写真は、今回使った絃(エヴァ・ピラッツィ)の袋。チェロの絃って高い。練習量も少なめなので(泣)半年くらい使っていたが、さすがにへたっていたので、今回よく使うА線だけソリスト版に張り替えた。この絃は反応が良いこともあって、ニュアンスをつけやすいと思う。

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2006年1月 8日 (日)

Vocalise

Iwasaki 明日はチェロの発表会だ。や、やばい。来てしまったよ〜。曲目はラフマニノフのヴォカリーズ。あと、合奏曲数曲。これは人に紛れよう......かな。

 今日帰ったらタイミング良く以前注文していたCDが届いてた。ラフマニノフの自作自演集。オケ(フィラデルフィア管弦楽団)なんだけど、もちろんヴォカリーズOp.34-14が入っている。他には、交響詩「死の島」Op.29と交響曲第3番イ短調Op.44。ラフマニノフが指揮をしている録音はこれくらいしかないらしい。

 早速聴いてみると何か特別なことをしているかと思ったけどそうでもない。試しにCDかけながら弾いてみた。なにしろ作曲家自身が振っているんだから参考になる。

 手持ちではマイスキーのものとペレーニが弾いているものがある。ペレーニは日本ではそれほどメジャーではないと思うが、うまい。実に清く美しく弾く。たまたまお店で横置きしてあるのを見つけたんだけど、おすすめ。

 マイスキー版は......マイスキーです。オススメ。
思えば、このCDに慣れていたせいで、ラフマニノフ指揮のものが普通に聴こえたのかも。

 おっと、くだらないこと書いてる場合じゃなかった。


☆写真は、旧岩崎邸。

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2006年1月 2日 (月)

「かをる」と「にほふ」

Curry ここ2回、香りのことを書いていてどうも腑に落ちないことがあった。それは香りと匂いの違いである。あまり区別せずに使っていたが、成り立ちは全く異なる言葉のようだ。皆さんはご存知でした?

 高校の時の辞書を引っ張り出してみると、『「かをる」と「にほふ」とは、「香」と「色」の艶な美しさを述べる点は類似しているが、「かをる」は「香」を、「にほふ」は「色」を第一義とする。なお、「かをる」を「かほる」と書くのは誤り』(『詳解古語辞典』佐藤定義編・明治書院)、とある。習ってたんだっけか。

 「かをる」は香(か)・居る(をる=存在する)が元々で、
 「にほふ」は丹(に=赤土、赤色)・秀(ほ=他より抜きんでていることや表に現れること)または穂(ほ=秀と同語源)ふ(活用語尾)。従って本来の意は赤く色づくということで、花が美しく咲き、葉がもみじ(黄葉・紅葉)するというように視覚的な語。「紅丹穂経(くれなゐにほふ)」というような用法が『万葉集』にみえるが、のち平安時代あたりから転じて嗅覚的にも使われるようになったようだ。

 色々検索してたら興味深い記事があった。

「香りの学習室」2003.9.11より一部抜粋 香り関係の書籍では「におい」は嗅覚が感じる香気・臭気の全般を表し、そのうち「かおり」は「良いにおい」、「くさい」のは「悪いにおい」などと簡単に分類してあることが多い。

 しかし作家の秦恒平氏は「茶道廃るべし」の中で、「かおり」と「におい」とは今日の鈍感な語感のせいで意味が間違えられていると断じている。とても面白い意見だと思い、興味深く読んでしまった。

 まず秦氏の主張が一番端的に表現されていたと思うのがこんな部分だ。

 【古来梅は「薫る」花であり、桜は「匂う」 花なのである】

 秦氏の意見を自分なりに咀嚼すると、「かおり」とは視覚に訴えるより先に嗅覚に訴えるもの、「におい」とは視覚に訴える要素が高いものを言うらしい。特に「色」は「におい」の方と分かちがたい関係にあるそうだ。

原文(橘コロンさん「香りの学習ノート」より)

 どうやら現代人は音に対するだけでなく、あらゆる感覚が危機に瀕しているということか。


☆写真 香るのか匂うのか、銀座の喫茶店で。

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2006年1月 1日 (日)

音楽と香気 その2

Nostargia お正月。には全く関係なく、前回のものが長いので2つに分けた。

 さて、音楽が情景や匂いまでも喚び起こすとすれば、その逆に香りによって音楽が浮かぶということもあるだろう。相変わらず発表会に向けた練習に難儀しているところに香水を一吹きしてみると、あら不思議、気分一新でたいへんいい感じ。しかもインスピレーションがとめどなく溢れてくる、ような気がする。従ってアーティキュレーションも明確だ、と思う。普段香りを身に着ける習慣のない私には効果抜群だったのだろう。客観的にはどうか知らない。

 音楽に何となく行き詰まった感じで曲に乗れない時、名人の演奏を聴いたり、作曲家の伝記にあたってみたり、『のだめ』を読んだりすると気分が変わっていいと思う。食事に凝ったり、散歩に出たり、風呂に入ったりというのも手だ。加えて嗅覚を刺激するというのも他の方法とは違った効果が得られるような気がする。ヴォカリーズのような曲を弾く場合、良い香りに包まれてさらってみるということはちょっと有効であるのではないだろうか。

 何もしなくても集中できるというのが本当の集中力ってものかも知れないが。皆さんはどうしてますか?

 ...お、ウィーン・フィルの恒例行事が始まった模様。


☆写真は前回と同じくサンタ・マリア・ノベッラのコロンのカラー版。背にあしらっているのはミケランジェロの素描。


 以下、コロンについて雑記。好きな人だけ読んでね。

 仏語できないので知らなかったんだけど、オー・デ・コロンって「ケルンの水」という意味なんだって(一般教養?)。ケルンは羅語のコローニア([ローマの]植民市の意)からきてて、フランス語でコローニュ。で、「Eau(オー=水)・de(ドゥ=〜の)・Cologne(コローニュ=ケルン)」と。へぇ。

 ついでに加えると、18世紀初めにイタリア系旅商人のジョヴァンニ・パオロ・フェメニスがケルンにとどまり製造し始めたものが一般にコロンの最初とされており、当時のレシピ通りにつくられているものが「4711」。最初のコロンは香水(どちらかというと化粧水?)としてのみならず胃のお薬としても用いていたらしい。へぇ。

 しかし(これはサンタ・マリア・ノベッラによる話ではあるが)、そのレシピは、フェメニスがフィレンツェに立ち寄った際、Santa Maria Novella教会(修道院HP・伊語)の修道尼より手に入れた処方を基にしているという。へぇ。
 (ケルンには大司教座がおかれ、ドミニコ会も同地に神学大学を設けていることから察するに、同会派の影響は間違いないと思われる。この修道会では薬草などの栽培研究が実に盛んだった)

 「ちなみに私、最近オヤジくさいと妻からファブリーズされました(高橋談)」へぇ〜。(嘘)

 医学や薬のmedicina(英medicine)はフィレンツェのメディチ家を語源とすることはご存知の通りで、この辺りは調べてみると色々おもしろそう。

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